Q) インターネットで破産者の氏名や住所情報を提供することは破産者のプライバシー権を侵害すると考えていますか?
A) いいえ、破産者情報通知サービスは、国民に周知されるべき官報に公告された情報を報道しており、破産者のプライバシー権を侵害しているとは考えていません。
仮に、破産者の氏名や住所、破産した事実の報道が、破産者のプライバシー権を侵害しているとしても、破産者の情報が官報に公告され、広く一般に公開されている限り、プライバシー権で保護される情報にあたらないと考えています。
官報には、国民の権利の行使や義務の履行に関係する、大切な情報が掲載されています。官報に掲載されている情報を知らないことによる不利益は、その情報を知らない国民の責任になります。
一時期、官報に公告された破産者情報をもとに作成されたとみられる「破産者マップ」「モンスターマップ」が話題になりました。一部の弁護士や司法書士、大学教員、国会議員、個人情報保護委員会、弁護士会が、これら破産者情報公表サイトに反対し、閉鎖に向けた活動を行い、報道機関やネットメディアを巻き込み過熱化。結果的にそれらのサイトは閉鎖しました。
反対する人々は、破産者の「プライバシー権」「個人情報保護」の観点から、破産者情報公表サイトに反対していました。「氏名や住所、破産した事実は、プライバシーかつ個人情報であり、破産者の情報が調べやすくなること、破産者の情報が分かりやすくなることは反対」このような意見でした。
「破産者情報公表サイト」に反対する人々が望む結果になったこと、「破産者マップ」「モンスターマップ」といった「破産者情報公表サイト」が閉鎖されたことは、はたして正しいことだったのでしょうか?
いいえ、「破産者情報公表サイト」が閉鎖されたこと、「破産者マップ」「モンスターマップ」が閉鎖されたこと、これは大きな誤りであり、正しくないことだと考えています。
官報は「国民の権利の行使や義務の履行に関係する、大切な情報が掲載」されており、官報に公告された情報は、国民全員に伝わっており、国民は理解している前提があります。現実的に、その前提を満たすことは難しいとしても、多くの国民が官報の情報にアクセスでき、容易にその情報を知り、より短い時間で情報を理解できる手段が提供されていることは大切であると考えています。
「破産者マップ」「モンスターマップ」といった「破産者情報公表サイト」は、官報に掲載されたカテゴリーの1つである「破産者情報」に焦点をあて、官報が目指しているであろう「全国民への情報伝達」に貢献し、かつ国民間に存在する情報格差を縮めようと試みたサイトであり、とりわけ「破産者マップ」は、グーグルマップ上に「破産者の住所情報」を「位置情報」として統合、視覚化したことで、より短い時間で情報を理解できるようにしたサイトであったと評価できます。
「破産者情報公表サイト」に反対する人々は「国民が知るべき情報が掲載されているサイト」「情報の理解を促進させるサイト」に反対、閉鎖に追い込むことで、国民が情報に簡単にアクセスできないようにすること、仮にアクセスできたとしても、その情報を容易に理解できないよう、データを直感的に理解するような視覚化を滞らせることで、国民の知る権利の行使を妨げ、情報の格差を拡大させていると感じています。情報弱者といわれる、情報を上手に取得できない人々、情報を上手に分析できない人々、情報を上手に理解できない人々のためにも、情報に簡単にアクセスできるようにする取り組み、情報を直感的に理解できるようにする取り組みは大切なことであると考えています。
破産者情報通知サービスは、官報に公告された破産者情報を報道することで、より多くの方が情報にアクセスでき、より短い時間で情報を理解できる環境をつくっていきます。