投稿者: | 2022年1月1日

「破産者情報通知サービス」は「政治団体オープンサイエンス」により運営されています。

「 政治団体オープンサイエンス 」は、研究者のような専門家だけでなく、あらゆる人々が、学術的研究や調査の成果、データ、情報にアクセスできるようになるべきだとの理念を掲げています。「 政治団体オープンサイエンス 」 は「破産者情報提供サービス」を創始した「フロネシス合同会社(代表、遠藤有人)」をはじめ、多くの方々から多大な支援を受け運営を行っております。

2019年3月に「破産者マップ」という、官報に公告された破産者の情報をグーグルマップ上に可視化したサイトが話題となりました。個人情報保護委員会が行政指導を行い、破産者マップは閉鎖されました。その後「モンスターマップ」を代表とする、官報に公告された破産者情報を掲載するサイトが次々登場しましたが、最終的に、2020年8月、個人情報保護委員会による行政命令により、それらのサイトは閉鎖されました。

「政治団体オープンサイエンス」は「官報に公告されている情報は、国民が知るべき情報である」と考えています。特に、官報に公告されている「破産者情報」は、公益性、公共性の高い情報であり、破産者情報を知らなかったことにより、債権者としての権利行使ができない、相手が破産者であることを知らず、破産法に定められた国民としての義務を履行できない状況は、見過ごすことができないと考えています。

一方、日本の政府機関である、個人情報保護委員会は、破産者情報について「一般に他人に知られたくない情報かつ本人の経済的更生を妨げうる情報」「その流通をコントロールする本人の権利を保護すべき必要性が他の個人情報に比して高い情報」と考えています。

2020年6月、個人情報保護法の改定が行われました。「個人情報取扱事業者は、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報を利用してはならない」(個人情報保護法16条の2)のと文言が新たに追加されました。この条文は、破産者マップ、その後の破産者情報後継サイトを規制する目的で、新たに追加された条文です。

個人情報保護委員会が公表している、通則編ガイドラインに、 個人情報保護法16条の2 に反する事例として「裁判所による公告等により散在的に公開されている個人情報(例:官報に掲載される破産者情報)を、当該個人情報に係る本人に対する違法な差別が、不特定多数の者によって誘発されるおそれがあることが予見できるにもかかわらず、それを集約してデータベース化し、インターネット上で公開する場合」であると、具体的に書かれていることから見ても、個人情報保護委員会は、官報に公告されている「破産者情報」が、国民に知られることを、どうしても防ぎたいと考えているようです。

官報は、日本の政府機関である「内閣府」が、 毎日発行している、国家の機関誌です。 その目的は、国民にその内容を知らせることにあります。内閣府は 「破産者情報」を、国民に知らせようとする。一方、個人情報保護委員会は「破産者情報」を、国民が知ることを防ごうとする。内閣府も個人情報保護委員会も同じ日本の政府組織でありながら、正反対のことをしているように見えます。

個人情報保護委員会がいうように「破産者情報」が 「一般に他人に知られたくない情報かつ本人の経済的更生を妨げうる情報」であり、「その流通をコントロールする本人の権利を保護すべき必要性が他の個人情報に比して高い情報」 であるなら、なぜ、官報に掲載される「破産者情報」そのものを個人情報保護委員会は、止めようとしないのでしょうか?

破産法第10条「この法律の規定による公告は、官報に掲載してする」との法律により、「破産者情報」を官報に公告しなくてはいけないのであれば、2020年に個人情報保護法を改正したように、 個人情報保護委員会が「破産法第10条」を国会で取り上げ、内閣府による「破産者情報」の官報公告をやめさせればよいのではないでしょうか?

「破産者情報」が、官報に公告される限り、国民に「破産者」の「住所」と「名前」、「破産した事実」は知らされます。一度、公告された「破産者情報」は、明治26年の破産法施行以来、消えることはなく、図書館や役所などの公共施設、国立印刷局が運営しているインターネット官報で、誰もが自由に見ることができます。

個人情報保護委員会は、国民が知るべき官報に公告された個人情報と、官報に公告されていない個人情報を、何ら区別することなく「生存する個人を識別できる情報だから」との理由で、ひとくくりに「個人情報」という概念で扱い、官報に掲載されている個人情報についても、個人情報保護法を適用し規制を行っています。官報には、「破産者情報」も含め、個人が識別できる「個人情報」が掲載されていますが、官報に掲載されている個人情報は、国民が知るべき情報である以上、官報に掲載されている個人情報は、「個人情報法保護法」の規制対象外にすべきだと考えます。

「破産者情報」が官報に掲載されており、その情報が、一般に広く公開されている限り、「破産者情報」は、公益性、公共性があり、国民が知るべき情報です。

「 政治団体オープンサイエンス 」 は、公益性があり、公共性がある、官報に掲載された、国民が知るべき情報を広く通知し、官報に掲載された情報を知らず「権利の行使」や「義務の履行」を行えず、泣き寝入りする人を1人でも減らすため「破産者情報通知サービス」を今後とも運営していきます。